2010年産米の収穫予想(7月31日現在)

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作柄(水稲)

全国作況102の「やや良」

 本社では、各都道府県別の7月末までの気象データを、作況推計プログラムに投入して作況を予想しました。 

 2010年産(平成22年産)水稲は、田植え後の5月中旬前半と下旬後半に北日本から西日本にかけて低温で推移したことから初期生育が抑制されたものの、6月上旬後半から天候に恵まれ生育は回復。梅雨前線が活発で西日本中心に大雨となったところや、一部日照不足の影響を受けているところもありますが、6~7月を通じて気温が高く推移していることから生育はおおむね順調で、全般的に進度も早まっています。全国の作況指数は102の「やや良」になることが予想されます。地帯別では、北海道が作況指数106の「良」、東北、関東、北陸、東海が作況指数102~104の「やや良」、近畿、中国、四国が99~101の「平年並み」、九州、沖縄が96~97の「やや不良」が見込まれます。

 都道府県別にみると、作況指数106の「良」は北海道、宮城の2道県、102~105の「やや良」は青森、福島、茨城、千葉、新潟、滋賀など22府県、99~101の「平年並み」は秋田、山形、鳥取、島根など13都府県、95~98の「やや不良」は山口、福岡、佐賀など10県がそれぞれ見込まれます。

作付面積

水稲推計156万7千ha(主食用等)

 本年産米における主食用等の生産目標数量は813万トン(作付面積換算153万8千ha)が計画されています。過剰作付けだった21年産実績(159万2千ha)よりおよそ5万ha削減の設定ですが、近年の生産調整トレンドと、戸別所得補償モデル事業の動向を踏まえ、本社としては主食用等の水稲作付156万7千ha、陸稲作付約3千haの合計157万haと推計しました。加工用米・新規需要米は、戸別所得補償モデル事業と水田利活用事業の導入によって取り組みが大きく変動(認定状況は集計中)したため、今回の収穫予想から除外しました。

収穫量・需給

主食用等848万トン、計画比35万トン増

 作況・作付予測に基づく本年産水稲の7月31日現在における主食用等の予想収穫量は、全国平均で10a当たり541kg、収穫量は847万8千トンとなります。陸稲試算収穫量を合わせた本年産米全体の収穫予想はおよそ848万トンで、生産計画比35万トン増、前年産比17万トン増の見通しです(作付面積が計画通りで、本社予想の作柄試算の場合、予想収穫量は831万トン、計画比18万トン増が見込まれます)。

 農水省が基本指針で策定した22/23年(平成22年7月から23年6月)の主食用等需要見通し805万トンと単純比較するとおよそ43万トン過剰となる試算になります。実際には、平成21年産米が過剰で推移(22年6月末の民間在庫は218万トン、前年比6万トン増。過剰在庫は35~40万トン程度と推定される)しているため、全体需給は70~75万トン程度の過剰環境が見込まれます。



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