2020年産米の収穫予想(7月31日現在)

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作柄(水稲)

全国作況98の「やや不良」

 本社では、各都道府県別の7月末までの気象データを、作況推計プログラムに投入して作況を予想しました(8月1日以降、収穫期まで天候が平年並みに推移した場合の予測値です。天候経過によっては上振れ・下振れの余地があり、確定的なものではありません)。

 2020年産(令和2年産)の水稲作柄は、7月の低温・大雨・日照不足傾向の影響が見込まれ、全国の作況指数は98の「やや不良」が予想されます。地帯別の作況指数は、北海道が98の「やや不良」、東北・北陸が99の「平年並み」、関東・東海・近畿・中国・四国及び九州が95~98の「やや不良」、沖縄が102の「やや良」が見込まれます。都道府県別で99~101の「平年並み」は、青森・秋田・山形・新潟・富山・石川・島根の7県、沖縄を除くその他39道府県は95~98の「やや不良」が見込まれます。

 なお、8月以降は高温傾向で推移しており、登熟が順調に推移すれば上振れする可能性がある一方で、▽高温の程度▽台風の動向▽病害虫等の影響―に留意する必要があると見ています。

作付面積

水稲推計137万2千ha(主食用米等)

 生産調整の取り組み状況や、各県等への聞き取りを踏まえ、本社としては主食用米等の水稲作付面積を137万2千ha、前年産実績比7千ha減と推計しました。農水省が策定する基本指針の生産量見通し(作付換算132.5~134万ha)に対して、過剰作付が見込まれます。なお、政府備蓄米、加工用米、新規需要米など生産調整の対象分は収穫予想から除外しています。また、非主食用米への取組申請手続きが8月末まで延長されていることから、変動の余地があります。

収穫量

主食用米等717万トン

 作付・作況予測に基づき、7月31日現在における本年産水稲主食用米等の予想収穫量は、全国平均で10a当たり523kg、収穫量は717万トン、前年産実績比9万1千トン減と見通しました。

 令和2年/3年(令和2年7月から3年6月)における主食用米等の供給量は、令和2年6月末の在庫201万4千トン(農水省・速報値)と、上記の予想収穫量を加えて918万4千トンと見込まれます。基本指針で7月に策定された需要見通し714万6千トンを差し引くと、令和3年6月末の在庫は203万8千トンと見込まれます。新型コロナ禍で需要量は下振れする可能性が高いなか、全体需給は過剰傾向が想定されます。


 
 

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