2023年産米の収穫予想(7月31日現在)

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水稲作柄

全国作況101の「平年並み」

 米穀データバンクでは、各都道府県別の7月末までの気象データを、作況推計プログラムに投入して作況および収穫量を予想しました(8月1日以降、収穫期まで天候が平年並みに推移した場合の予測値です。天候経過によって上振れ・下振れの余地があり、確定的なものではありません)。

 2023年産(令和5年産)の水稲作柄は、全国作況101の「平年並み」が予想されます。田植え以降、高温・多照で経過するなど、おおむね天候に恵まれた地域がある一方で、6月から7月にかけての日照不足等の影響で一部地域に生育遅れや、大雨・台風等による影響が見込まれるためです。地帯別の作況は、▽やや良=北海道104、東北102▽平年並み=関東・北陸・東海・近畿・四国101、中国100▽やや不良=九州98、沖縄96が見込まれます。都道府県別では、102~105の「やや良」が14都道県、99~101の「平年並み」が28府県、95~98の「やや不良」が5県と見込まれます。

 なお、6~7月の大雨で発生した浸水・冠水被害は、今回の予想に直接反映していません。また、8月以降も高温傾向や台風発生など天候不順が続いており、▽高温障害▽病害虫発生▽台風の動向等…が収量・品質に与える影響に留意する必要があります。

水稲作付面積

推計124万6千ha(主食用米等)

 需要に見合った生産の取り組み状況や各県等への聞き取りを踏まえ、主食用米等の水稲作付面積を124万6千ha、前年産実績比5千ha減と推計しました。なお、政府備蓄米、加工用米、新規需要米など非主食用の戦略作物は収穫予想から除外しています。また、自然かい廃等があることから変動の余地があります。

水稲収穫量

主食用米等約674万トン

 作付・作況予測に基づく、7月31日現在における本年産水稲主食用米等の収穫予測は、全国平均で10a当たり収量541kg、収穫量約674万トン、前年産実績比約4万トン増と見通しました。

 令和5年/6年(令和5年7月から6年6月)における主食用米等の供給量は、令和5年6月末の在庫約197万トン(農水省・速報値)と、上記の予想収穫量を加えて約871万トンと見込まれます。基本指針で7月に策定された需要見通し約681万トンを差し引くと、令和6年6月末の在庫は約190万トン。在庫はさらに縮減し、需給均衡水準が見込まれます。一方、米価の値戻しがさらに進む可能性が高く、業務用向け等での使用減(盛り付け減や、他食材への切り替え)なども懸念され、消化進度の確認が必要になりそうです。


 
 

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