-2007年1月31日-

◆中国産米麺で製品回収(遺伝子組み換え米)

 国内未審査の中国産遺伝子組み換え米の混入問題に関連し、該当品を輸入した森井食品(株)から米麺を仕入れている国内の加工メーカーが製品の自主回収を公表した。

 回収商品は▽「スープ米麺」「スープフォー」6品目=丸美屋食品工業(株)▽「アジアめん」13品目=味の素(株)▽「生活派 焼きビーフン」3品目=加藤産業(株)。なお、該当品は国内流通はしていない。


-2007年1月30日-

◆前年並みの18年産コシ検査、販売回復が課題

 18年産コシヒカリの検査数量は12月末の速報値ベースで152万3千トン、前年比98%(数量ベースで3万3千トン減)となっている。年産米全体の収穫量が前年産より51万トンも減産となったわりに微減にとどまっており、他銘柄に比べて前年並みの供給余力が見込まれる。前年産の最終検査実績は178万2千トンで、1月以降10月末までに22万6千トンが積み上がった。

 一方、全農・全集連の18年産主食向け販売米(旧自主米)のうち、コシヒカリは12月末現在で30万トン、前年比82%(6万7千トン減)で推移している。前年産は翌年10月末累計で115万2千トン(16年産比97%)となったが、どこまで回復するか注目されるところ。ちなみにコシヒカリは、17年産政府買入れで14万トンが振り向けられた。18年産の買入れは第1回目で9万8千トンが確定済み。


-2007年1月29日-

◆佐賀ヒヨク契約栽培、約1万トンショート

 JA系統による佐賀ヒヨクモチの契約栽培数量は2万4千トン。産地関係筋は18年産米の集荷を1万3千トン前後(3等以内)と見ているため、約1万トンが供給不足になる計算。

 全農は佐賀産米の取扱いについて「需要者ごと個別に対応している」と説明。実際の需要不足は明らかでないが、「17年産米の持ち越しがあるようで、組合員から何とかして欲しいという声は聞かない」(県加工組合関係者)とされる。なかには「17年産米の引取が悪く、18年産米のショートは渡りに船」との声もあり、大きな問題にはなっていないようだ。

 一方、12月末現在で規格外検査が6,853トンあるが、系統による統一的な提示は行われていない。品位が劣ることから、需要のあるところに販売している模様。


-2007年1月26日-

◆ヒノ検査18万3千トン、前年比2割減(12月末)

 18年産ヒノヒカリの検査実績は、12月末(農水省まとめ。速報値ベース)で25府県累計18万3千トンとなっている。前年産の同期との比較では、4万3千トン減とおよそ2割近い減少。前年産の最終検査は27万7千トンと1月以降5万トン積み上がったが、本年産は難しそうだ。

 このため年間販売の継続が難しいケースも出ており、代替え銘柄も焦点に。新規開拓という意味では、他産地銘柄にとって絶好の機会にもなっている。

 地域別に検査状況をみると、九州14万5千トン(前年産同期比77%、▲3万5千トン)、中四国4万9千トン(86%、▲8千トン)、東海・近畿1万9千トン(106%、+1千トン)。近畿産が増加しているものの、主産地・九州産の減産が大きい。


-2007年1月25日-

◆遺伝子組み換え作物の商業栽培面積は1億ha

 国際アグリバイオ事業団が18日に発表した調査報告によると、遺伝子組み換え作物を栽培している国は2006年で22カ国となり、商業栽培面積は世界全体で1億200万haで、初めて1億haを超えたという。

 2005年との比較では、栽培面積は1,200万ha(13%)の増加、栽培国はスロバキアが加わった。栽培面積が最も大きいのは米国の5,460万ha、次いでアルゼンチ1,800万ha、ブラジル1,150万haなど。栽培作物では大豆が全体の57%で最も多く、その他はトウモロコシ、ワタなど。イネは2005年から栽培を始めたイラン1カ国のみ。

 この調査報告では、2015年までに栽培面積は2億ha、遺伝子組み換え作物に取り組む農業生産者数は2千万と予測。また、遺伝子組み換えイネが本格的に商業化されれば、世界のコメ生産者2億5千万の3分の1にあたる8千万の農業生産者が遺伝子組み換えイネの栽培に取り組むとしている。
 日本では、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などが「花粉症緩和米」等の実用化試験を行っているほか、新潟や北海道でも栽培試験が実施されているが、遺伝子組み換え作物については慎重派や反対意見も多く、実用化までには曲折が予想される。


-2007年1月24日-

◆選任担当設置で80卸と結び付き(JAみやぎ登米)

 1月18日に実施された宮城米生産流通研修会では、JAみやぎ登米の榊原忠男米穀販売課長が「環境保全米づくり運動」についての事例発表を行った。

 平成14年のJA登米として組織決定して以来の取組みで、16年産米で5,995ha、17年産米7,759ha、18年産米では8,263haと順調に拡大してきた。今回の発表では「米作りに詳しい人間が先頭に立って販売すべき」(榊原課長)から、選任販売担当による営業・販売戦略方針が強調された。同JAでは本店米穀課内に販売企画業務担当者を配置し、独自に全国の流通業者を訪問する活動を行っている。「3名の営農指導員を指名して、消費地卸を中心に経費は掛かるが頻繁な訪問営業を行った。様々な話合いを進める過程で、技術者出身の強味で先方の疑問に即答出来る」(同)ことから、消費地流通業者との結び付きが進んでいるとのこと。

 一連の取組み効果としては(1)17年産米では東京、名古屋、大阪等を中心に約80卸業者等と結び付き、登米産米のネームバリューが高まった感触が持たれる(2)環境保全型農業や売れる米づくりへの、生産者及びJA職員の意識改革が図られた。17年産環境保全米は平成18年の早期に全量が成約、実需者側の認知度が向上した(3)環境保全米の爆発的な拡大・普及エネルギーが評価され、第35回日本農業賞集団組織の部大賞を受賞した。この快挙から環境保全米づくりが多くの農家から賞賛されると同時に、各生産者の大きな励みとなるとともに意識改革が進んだ…と報告された。


-2007年1月23日-

◆沈静ムードの道産米も超大手は沈黙(入札)

 1月24日に実施される18年産20回センター入札取引では、やはりきららなど北海道銘柄への関心が高く、「大手卸のみの世界で我々クラスは関係無いものの、きららが前回結果1万4,000円からの落ち幅に注目」(近畿中堅A卸)とややブームが下火となった感触も聞かれる。

 鍵を握る大手卸の22日段階の雰囲気は「きららはロット値引き分込みで1万3,700円をラインに10円玉かな?もう少しは入札で確保したいが、大きな無理はしないつもり」(大阪有力B卸)、「中京卸が今回も熱心だとの話も聞かれるものの、関西卸業界では昨年に比べやや沈静化した感じだ。1月に入ってきららなど卸間で手当しやくなったこともあるのか?」(大阪有力C卸)との状況。

 ただし、「超大手卸が今回は不気味なぐらい沈黙を守っている」(近畿中堅D卸)との指摘も。


-2007年1月22日-

◆水稲平年収量検討会(第2回)、26日に開催

 農水省は1月26日、「水稲平年収量に関する検討会」(委員長=滋賀県立大学・秋田重誠環境科学部教授)の第2回会合を開催する。

 今回は、地球温暖化が(1)作物生産に与える影響(2)水稲生産に与える影響-について各委員からプレゼンが行われるほか、現行の平年収量算定方法の詳細が報告される予定。地球温暖化による水稲生産への影響を検討して、算定手法を改善する。

 検討会は、作物学、数理統計、気象、環境学など各専門分野の学識経験者9名で構成。今年3月に中間報告を提起するなど半年で6回の検討会を開催し、秋頃に算定方法への反映のあり方を決定。19年産で検証したうえで、20年産から反映する方針。


-2007年1月19日-


◆古米使用の包装米飯、『熟女ライス』登場

 秋葉原の電気街でちょっと変わった包装米飯が販売されている。商品名は『熟女ライス』。パッケージには「18禁」の文字、物憂げな熟女の写真と共に、“アダルト米(古米)100%”“今が食べ頃…”とあり、どうやら古米を使用した商品のようだ。その他、「企画:百姓になった高橋がなり」「監督:国立ファーム」「流通・販売:ソフト・オン・デマンド」等のクレジットが記されており、なにやら妖しげな雰囲気が…。

 国立ファームに聞くと、同社はアダルトビデオ業界最大手のソフト・オン・デマンド社の創業者である高橋がなり氏が社長を退いた後、2006年4月に立ち上げた会社で、今回の『熟女ライス』も高橋氏の企画とのこと。貯蔵技術が進歩しているにも関わらず正当に評価されていない“古米”に着目、“古米=アダルト米”とネーミングした商品を開発し、有効活用したもの。

 今回生産分に使用した原料米は17年産北海道きらら397で、9万8千食(1パックあたり180g)を委託製造し、今月5日から参考価格160円(税込み)で販売を始めた。流通・販売はソフト・オン・デマンド社が独自のAV流通網を通じて行っており、首都圏を中心に約1,000店舗のビデオショップの店頭に置かれている。

 秋葉原の某ショップの店員さんに売れ行きを聞くと「かなり売れている」との答えが返ってきた。秋葉原はではかなり話題になっており、たちまち完売となったショップも出ている模様。また、国立ファームではブランド米や五穀米、赤飯などの関連商品開発も進行中で、今後はアイテムを増やしながらビデオショップ以外でも販売していきたいとしている。『熟女ライス』に関するお問い合わせはソフト・オン・デマンド(株)営業部(TEL:03-5328-7100)まで。


-2007年1月18日-

◆納豆ブームがコメ消費を誘爆?

 ブームの火付け役は1月7日夜のフジテレビ系列「発掘!あるある大事典II」。女性を中心に「納豆を食べれば痩せられる」と受け止められ、各地で納豆が売り切れるケースが続出した。

 もちろん、納豆と切っても切れない縁にあるのがご飯。納豆消費拡大は、確実にコメ消費拡大にも結びつく。いったん消費減傾向を見せていた発芽玄米も、昨年はテレビ番組で取り上げられたことがきっかけとなって、売り上げ増加となった。

 ちなみに、納豆の年間生産量は原料大豆にして約11万トン。これは50グラムパックの納豆44億個に相当するそうである(関西納豆工業組合)。仮りに、納豆の消費が3割増えるとしたら、13億食の米飯消費増になる?


-2007年1月17日-

◆サト、フレンドリー合併で、関西最大手外食チェーンへ

 関西地区基盤の外食企業であるサトレストランシステムズ(株)(大阪・堺市)と(株)フレンドリー(大阪・大東市)は1月12日、平成19年10月1日を目途に合併すると発表した。存続会社はサトで、合併後の売上高は昨年度末時点で約450億円、店舗数は346店舗と、関西では最大手の外食チェーンとなる。合併後の新会社名などは今後に両社間で協議していく予定。

 サトは和食ファミリーレストラン「和食さと」、「和食鍋処すし半」を中心に、関西、中京、関東に214店舗を展開する。一方、フレンドリーは洋食ファミリーレストラン「フレンドリー」、居酒屋など、大阪府内を中心に132店舗を展開する。両社とも関西地区では圧倒的な基盤を持つが、多様な業態が乱立する外食業界の環境下で苦戦が続いていた。

 両社では合併を機会として多様な顧客ニーズに対応していくと同時に、仕入・物流面などで効率化を進めるとしており、米穀関連への影響も予想される。サトは白飯、雑炊、寿司等の和食メニューで、フレンドリーもカレーライスなど洋食メニューでコメの使用規模も大きいものと思われる。


-2007年1月16日-

◆4月に住商アグリビジネス設立(住友商事)

 住友商事(株)はこのほど、100%出資の事業投資会社である日東バイオン(株)(北海道北見市)と住商農産(株)(東京都千代田区)の統合を公表、19年4月1日に新会社・住商アグリビジネス(株)を設立する。

 両社の事業は日東バイオンが肥料製造直販、住商農産は肥料及び農業資材販売を主体としており、統合により製造・物流合理化並びに品揃え・売上高・取扱い数量で国内有数の肥料製造販売会社が誕生するという。

 肥料・農業関連資材以外に、農産物の取扱いも視野に入れているが、「いつからというスケジュールが立っているわけではない」としている。
 住商アグリビジネスの概要は▽本社所在地=東京都千代田区▽資本金=13億円▽出資比率=住友商事100%▽売上高=220億円(20年3月予想)。


-2007年1月15日-

◆沖縄で19年産の田植え始まる

 沖縄県で19年産米の田植えが始まった。第1期作の早場栽培は「例年、2月10日からのスタート。気象条件にもよるが、19年産米もいまのところ変更の話は聞いていない」(県)とされ、本格化するのは来月半ば以降の見通し。

 全体の作付面積は1千ha強と安定しており、1期作(6~7割)、2期作(3~4割)の比率も変わらない見通し。品種は引き続きひとめぼれが9割程度を占める模様。うるち米の銘柄認定はひとめぼれ・チヨニシキ・ちゅらひかりの3品種で、今後も新しい品種の取り組みは考えていない。

 一方、作柄はここ3年悪い。18年産米は1期作が日照不足(作況95)、2期作は台風13号の影響で86に低下。府県でも販売されているだけに、今年も天候が気になるところ。また、品目横断的経営対策への加入については、集落営農組織がなく、母胎つくりの勉強中といわれる。


-2007年1月12日-

◆牛丼復活で12月売上、前期比19%増(吉野家)

 (株)吉野家ディー・アンド・シーでは06年12月の既存店売上高について、前年同月比19.3%増となったことを明らかにした。

 12月1日からスタートした全店での牛丼販売が効果を発揮した模様で、客数も前期比17.8%増と好調な結果となった。現在のところは午前11時~午後15時と時間限定販売だが、米国産牛肉の確保が進み24時間販売が可能になれば、業績は勿論のこと米の取扱数量も急速に回復する見込み。

 同社では一連の米国産牛肉の輸入禁止に伴い牛丼が提供出来ない状態となったが、9月~11月中の日数限定販売を経て12月からは毎日の販売が再開し、他のメニューも含めて売上回復が顕著になっていた。同店の店舗数は日本国内で1,010店規模。


-2007年1月11日-

◆数量ベース10%増など上々のスタート(年末年始商戦)

 関西地区の末端販売における年末年始商戦では、事前のオーダー通り北海道きらら10キロ2,980円、秋田こまち10キロ3,480円等を目玉に「景気回復の影響からか郊外店舗を中心に売上が好調で、12月27日~1月7日のトータルで数量ベースで前期比10%程度アップとなった」(近畿大手A卸)との状況が聞かれる。

 特徴的なのは年明け1月に入ってからの動きで、「前年は散々だった1日~7日の実績が際だって良く、店舗によっては15%も上積みした現象が見られる。先方バイヤーは帰省や旅行帰りの客が週末3連休を中心に集中したことと、“お米10キロセール!”類の新聞折り込み広告が効果を発揮したと分析している」(同)という。

 また「年末年始商戦の実績は現在のところ集計中だが、前年実績を割った店舗は限りなく少ない感触」(近畿大手B卸)とのことで、2卸の聞き取りながら上々の新年スタートと言える。


-2007年1月10日-

◆ヒノ不作、外食業界でも影響(福岡)

 九州地区の外食業界では、「量販店など主食販売と同様に、ヒノヒカリを使う企業が多い」(福岡卸)ことから18年産の不作に苦慮している。

 福岡を基盤に九州全域から山陰、四国、近畿、東海、関東圏と一部東北地区に店舗展開する、ファミリーレストランのA社では東西で使用する米を分けているが、「九州地区の店舗については福岡ヒノヒカリを使っていたが、調達が出来ず佐賀産を模索したがこれも不発。最終的には商社ルートで鹿児島ヒノヒカリを“年内ギリギリ”で確保したと聞く」(福岡市内大手小売)模様。

 また18年産米では九州ヒノヒカリを中心に、東西店舗での使用米統一が計画されたが先送りされたとのこと。加えて、「不作に対応出来なかった地区内業者が契約を切られたようだ」(同)とも。




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