-2007年12月26日-

◆第4回SBS、来年1月18日実施

 農水省は12月21日、今年度第4回SBS入札を来年1月18日に実施するとアナウンスした。

 前年度に比べ1カ月の遅れとなるが、「いろいろな状況を見たうえでのことで、以前にも1月に実施したことがある。1月中旬以降のため、(商社・卸などが)バタバタすることもないだろう」(農水省)とされる。

 予定数量は第2回の枠余し分を加算した2万9,908トンで、一般米枠2万6,918トン、砕精米枠2,990トンの内訳。砕精米枠は490トンの増枠だが、第3回は砕精米の落札がゼロ。今回も枠を余す可能性が高く、第3回のように一般米枠で埋められるのか、全体の需要を含め注目されるところ。

 船積期限は来年2月18日(国庫債務行為負担分3月31日)、引取期限は同3月18日(同5月9日)。例年、4回目分の輸入は4~5月にズレ込むことがあり、需要者サイドによる手当ては国内産政府米の売却再開を睨んだ対応になりそうだ。


-2007年12月25日-

◆新潟コシ、関西で1,780円も(年末セール)

 卸業界では、年末商戦における新潟コシヒカリの売価が注目されており、5キロ価格は関東地区1,880円、関西地区1,780円が最安値となってきそうだ。

 東西卸への聞き取りでは、「量販店バイヤーから要望の多い銘柄は、圧倒的に新潟コシヒカリ。すべての納入先のニーズには対応できないが、周辺にライバル店が立地する激戦区を中心に5キロ1,880円を目玉セールで投入する予定。気になるのは他店舗(卸)の売価設定で、特に関西系卸が当社以上の値頃セールに出るか心配だ」(首都圏A卸)。

 「各納入先に提出したセール企画では、郊外型店舗は北陸ハナエチゼン10キロ2,980円、都心型店舗は新潟コシヒカリ5キロ1,780円を目玉にした。郊外型店舗は車で来客するファミリー層を狙い、都心型店舗は高齢者や2人世帯を狙ったもの。また都心型店でも激戦区に関しては魚沼コシヒカリを5キロ2,980円で投入する店舗もある」(関西B卸)という。


-2007年12月21日-

◆20年産米、需給改善とシェア奪回が課題(新潟)

 全農新潟は、生産者に対して米緊急対策で当面の需給・販売環境が劇的に変化している19年産米の経過と20年産米に向けた課題を示している。

 19年産米については、緊急対策において2年連続で販売苦戦が続いた県産コシヒカリ7万0,100トンの政府売渡し数量が配置された結果、当面の米価下落に歯止めがかかる一方で、市場から大幅に隔離されたことで消費者の選択機会が減ると説明。20年産米の販売につながるよう産地指定等の結び付きを重視し、販売戦略と販売計画の見直しを進めているとした。

 また、20年産米については、全体需給の改善と新潟米のシェア奪回が課題としたうえで、(1)大幅な供給過剰の解消[生産調整の実効性確保](2)コシヒカリ作付け偏重の解消[多様な品揃え](3)品質の向上[価格に見合った品質確保](4)新潟米全体のまとまり[危機感の共有。生販一体の全量販売]…を挙げた。

 今後の全体需給については、緊急対策で需給均衡する見込みとしながらも、(1)10万トンのエサ米処理は、ふるい下米での対応が基本(2)需要量の減少(3)政府売却の凍結解除-などの環境変化で、必ずしも楽観視できる状況にないことも押さえておく必要がある、と変動要素を挙げて解説している。


-2007年12月20日-

◆「山形97号銘柄確立協議会」、来年1月に設立(山形)

 山形県では、山形97号ブランド化戦略会議の第3回会合が12月18日に開催された。来年1月中旬頃にも「山形97号銘柄確立協議会」を設立し、県独自の品質基準の設定などを検討していく。

 山形97号は▽コシヒカリより美味しいコメ▽栽培がしやすく、品質・食味が安定していることを目指して育成された県のオリジナル品種で、平成22年秋にデビューする。全農山形県本部主催の産地懇談会における試食でも、出席した卸から高い評価を得ている。


-2007年12月19日-

◆19年産かけ米、200~300円アップ(系統販売)

 JA系統が清酒メーカーに販売している19年産かけ米は、B銘柄で1万2千円前後の模様。「大手メーカーの仕入値はそれよりいくらか安いようだが、18年産米に比べ200~300円の高値」(納入業者筋)とされる。

 加工用米は60kg換算で570円(70%精米)下がったものの、両種類の使用比率によっては値下げ分が飛んでしまいそうだ。

 一方、系統によるふるい下のエサ処理の影響が大きい経済酒(普通種。昔の2級酒)の原料問題。「大手筋などは年内分(年間使用の推定3割強)を確保しているようで、いまのところ慌てている雰囲気は感じられないが、残り6割強の年明け分をどうまかなうのかが見えない。加工用米のkg234円の使用は無理で、いかに安価にかつ数量を確保出来るかにかかる」。数量面の問題があるものの、焼酎クラスなど品位を落とした対応も出てきそうだ。


-2007年12月18日-

◆環境保全米、全国に発信へ(宮城シンポジウム)

 TBC東北放送が主催する第3回公開シンポジウム「みやぎの環境保全米・安心トーク」が12月15日、仙台市内の宮城県民会館においてJA関係者や一般消費者など多数の参加で開催された。

 基調講演でNPO社団法人・環境保全米ネットワークの本田強代表は、「19年産宮城米は7月中の低温・日照不足の影響が心配されたものの、ひとめぼれ、ササニシキとも良品質米を確保することができた」と報告する一方で、解決していくべき課題は多いとの認識を示した。

 その上で環境保全米について「特別栽培米など生産農家には非常に手間のかかる農法だが、収穫の安定と冷害の克服、1等米比率を高めていく可能性を持っている」として、全県挙げての取組みを目指していくべきとした。メリットとして「県全体で取り組むことによりブランド化が実現できる。将来的には自然環境に優しい宮城の米づくりを全国に発信できる」ことを挙げた。

 環境保全米の作付面積は19年産米1万8,267ha(比率25%)で、推進目標は20年産3万6,100ha(50%)、21年産4万3,560ha(60%)、22年産5万0,820ha(70%)に置いた。


-2007年12月17日-

◆米菓製品の一部を価格改訂(亀田製菓)

 亀田製菓(株)は12月13日、一部の米菓製品を来年4月(予定)から約4~9%の幅で価格改訂すると公表した。

 近年の原油価格高騰に伴いエネルギー費・包装資材価格・物流費が上昇し続けていることに加え、穀物事情の世界的な不足の影響を受けて食用油・落花生・加工用米等の価格も大幅に上昇、これら原材料・資材価格の上昇傾向は中長期的に続くことが予想され、企業努力の範囲以内ではもはや吸収出来ない状況とされる。

 引き続き高品質で安全・安心な製品を提供するため、米菓製品の出荷価格の改訂(一部については内容量の減量)を実施すると説明している。


-2007年12月14日-

◆選別下が堅調、中米は地合軟化

 くず米は、やはり農協集荷分の飼料用への流用が効いて、無選別は保合いながら、選別下や米菓用白はじり高。中米相場はまだ未検米もありアタマ打ち。関東のようにくず米出荷が進んでいたところと、九州産の普通期米のように遅い産地では、エサ転用の影響の大きさがまったく違うが、原料調達が狂った需要者が出ていることは確か。

 ある農協によると網下米をエサ用に回すと、補助金により農協手取りはキロ95円くらいになる見込みだそうだが、これにくず米が何万トンか取られることになると、やはり全国的な原料需給もキツクなる。

 くず米が飼料に転用されると、代わりに売れるのはMA米であって国産米の下落を防ぐためにやっている緊急対策の趣旨には沿わないのだが、元々が政党エゴによる「無理が通れば道理が引っ込む」対策。流通団体も文句を言うなら農水省相手ではなく政党を突き上げた方が早いのではないか。


-2007年12月13日-

◆契約、前年比で全農160%、全集連180%(11月末)

 米緊急対策の影響で19年産主食用うるち米の契約進度が異常にまでに進行している。11月末現在における全農の契約数量は187万トンまで積み上がり、前年実績比160%と整理されている。

 一方の全集連はさらに好調で同時期の契約数量は13万5千トン、前年比180%。販売数量は全農がほぼ前年並みの47万7千トン(前年比99%)だが、全集連は4万1千トン(同比137%)と前年を大幅に上回っている。

 主産地でも集荷数量の減少が伝わってくる状況下、政府米へ34万トンの売り渡しが決定したが、その後のエサ米処理分10万トンも控えているため、全国本部にまで上がる全体の委託数量がどの程度まで積み上がるか気になるところ。


-2007年12月12日-

◆エサ処理も「しっかりやっていただく」(白須次官)

 白須農林水産事務次官は、定例会見において米緊急対策に基づく34万トンの政府買入量が全て終了したことに伴い、引き続き米緊急対策を着実に実行していくことで、備蓄の安定的な運営と米の価格安定につながってくることを期待した。

 全農のエサ米処理10万トンについては、「今はまだタイミングは聞いていない」としたうえで、「緊急対策の大きな柱の一つで、今後しっかりやっていただくこと」との考えを示した。

 系統は10万トンについて、19年産の過剰作付けウエイトで5万トン、19年産作付実績ウエイトで5万トンでそれぞれ県別配分。各県は、ふるい下のくず米などで対応するなど数字の調整を行っている段階。

 まもなく全国集計されるもようだが、集荷減に加えて集荷終盤での対応で、計画通り積み上がらない産地が出そうだ。努力目標との声も聞かれる中で、「くず米対応分や未達相当分が供給過剰になる計算」だけに、実施時期・数量には要チェック。


-2007年12月11日-

◆34万トン枠の全量落札(19年産政府買入れ)

 19年産政府買入れは、12月6~7日に行われた随意契約分が全量落札となり、米緊急対策に基づく政府買入枠34万トンの買入れが終了した。

 初度・再度・随意契約を合わせた全銘柄の落札加重平均は1万4,265円(包装・消費税込み。産地在姿引渡し)となった。裸・税抜き換算では1万3,432円。申込業者数・落札業者数ともに17業者だった。

 緊急対策のうち、政府米販売の抑制と政府買入れ34万トンが実行され、残す対策はエサ米処理10万トン。すでに系統内では県別配分が行われているもようだが、実施のスケジュールなどは不透明。一部では「努力目標」とも伝わるが、「対策を要請した自民党との絡みもあり、実施しないわけにはいかないのでは」との見方もあり、くず米での対応を含めて成り行きが注目される。

 6~7日に行われた随意契約は、北海道、宮城、秋田、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、福井、三重、島根、福岡、熊本の13産地18銘柄12万1,400トンが提示通り全量落札(応札5業者・落札5業者)された。


-2007年12月10日-

◆行政関与・メリット・ペナルティを検討(白須次官)

 農水省・白須事務次官は定例会見で、20年産の生産調整について実効性確保が最大の課題と指摘したうえで、農業者団体と国・都道府県・市町村が適切に連携して取り組んでいく必要があるとの考えを示した。

 具体的に、(1)生産調整に関する行政関与の問題(2)生産調整実施者のメリット措置(3)非実施者に対するペナルティ措置のあり方…を現在検討しているとした。

 また、恒常的な未達県の市町村・地域に対する重点的な働きかけ、達成に向けた県の取組計画、全体的な達成見通し-の3点について関係者の情報交換を密にし、推進の初期段階から、取組みの状況把握に努める方針を示した。


-2007年12月7日-

◆今がチャンス、JAのセンター上場

 JA単独でのセンター上場は、絶妙のタイミングだった。12月5日に行われた第15回入札でJA北つくばの茨城コシヒカリは、上場120トンに対して、申し込み612トン(倍率5.1倍)、全量が落札された。落札加重平均(裸1等、東京基準)は1万3,960円で、現行の全農相対基準より408円高だった。

 国の基本指針では、「センター機能がより発揮され、価格情報が的確に発信されるよう、当事者の一層の工夫を生かした取引の実施」を促しており、センター内部でも今年のルール改革論議のなかで「JAなど新規参入の促進」を焦点に挙げて意向調査などを行ってきた。

 今回の結果を受けて検討するJAが増えそうだが、上場環境は今がチャンス。匿名上場ができる日常的取引もあり、売り手にとっては一考の余地がありそう。


-2007年12月6日-

◆新潟知事のBL隠し発言に困惑する県内関係者

 新潟県の泉田知事が県議会でコシヒカリBLについて、在来品種との違いを分からないようにして売ってしまおうという戦略だったと言及、批判したことについて県内農業関係者から不満と困惑の声が出ている。

 賛否両論あるなかで、BL普及の音頭をとってきた県トップの発言だけに生産現場は混乱しそう。供給過剰を背景に2年連続で7~8万トン規模の市場隔離を余儀なくされた新潟コシヒカリだが、さらに問題を抱えた格好。また、食品表示が注目されるなかで、品種群で設定されている銘柄表示のあり方も改めて問われそうだ。

 県内集荷筋では、「これまで情報公開してきており、隠しているわけではない。いまさら何を言っているのか。県内の農業関係者はみんなカンカンに怒っている。社員が作った商品を社長が否定しているようなもので、知事には早くやめて欲しいとの声が出ている。前の知事がやったことは否定的で政治的な意味合いもあるのかも。いまのところ県外からの問い合わせはなく、流通に影響は出ていないが、困った問題」と語っている。


-2007年12月5日-

◆ジョナサン、ご飯メニューは栃木コシ100%

 ファミリーレストラン業態の(株)ジョナサン(東京・武蔵野市)では、白飯など米メニューに栃木県産コシヒカリを100%使用している。展開するメニューはパスタ、ハンバーグなど洋風が主体ながら、鯖味噌定食、とんかつ定食など和風メニューも提供している。

 現在は12月16日までの季節限定メニューとして、殻付きかきグラタン580円などを積極的にPRしている。同店は(株)すかいらーくグループのパスタレストランで、直近の店舗数は東京、神奈川など首都圏中心に344店舗以上が展開されている。

 ファミリーレストラン業態については「チャーハン、ピラフ等のメニューは別に、ご飯には単品銘柄を使用する事例が多い。安全・安心に加え食材表示の徹底から、コシヒカリ単品が多く使われている。ただ、商売環境は店舗展開がほぼ飽和状況で、各企業ともこの1年間は苦戦が続いているのが現状」(大手米卸)との指摘が聞かれる。


-2007年12月4日-

◆注目は初上場のJA北つくばと新潟コシの上げ幅

 12月5日に行われるコメ価格センターの19年産第15回入札(定期注文取引)は、初めてJA単独上場となる茨城コシヒカリ(北つくば)のほか、福島・新潟産の3産地9品種銘柄2,021トンが上場される。茨城、新潟産は落札数量に応じたロット値引きがないほか、福島産も上限300円引きに圧縮されている。
 単協の初上場となる茨城コシヒカリは現行の全農相対基準1万3,552円(東京基準、裸1等)に対し、買い手の反応が注目される。また、新潟コシヒカリは、一般が10月17日、岩船・佐渡が9月26日の入札以来、こしいぶきは初登場と価格改定の方向。なお、魚沼産は上場が見送られており、現行相対2万3,500円を継続するものと見られる。

 北つくば農協(茨城県結城市、筑西市、桜川市)から申し出された運賃は、全農分と比べて山梨、長野、新潟、静岡の4県持ち込み分で50円の増減があるものの、その他はいずれも同額。その他条件も、申込単位=紙袋12トン、包装代30kg=77円、1-2等格差=▲600円と、こちらも同じ。


-2007年12月3日-

◆きらら裸1万2,248円(8~10月取引価格)

 食糧部会では、19年産の8~10月取引価格(包装代、消費税込み)が公表された。農水省が全農・全集連など全国出荷団体等から報告を受けて公表したもの。

 包装代と消費税を除いた産地銘柄別の本体裸価格(本社試算)は、北海道きらら・ほしめゆめ・ななつぼしが播種前・収穫前契約分とみられる1万2,248~2,428円で、加熱するセンター入札価格と比べて大きな開きが見られる。

 その他、新潟一般コシヒカリ1万5,254円(全農の現行相対比546円安)、魚沼コシヒカリ2万3,184円(316円安)、秋田あきたこまち1万3,177円(442円安)など、およそ200~500円前後の幅がでており、特定契約での販売が進んでいることが伺える。




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