-2007年2月28日-

◆台湾米の事業拡大で資格を取得(中島美雄商店)

 (株)中島美雄商店(中島隆太郎社長/滋賀県・草津市)は、今回のSBS資格の新規取得について、「当社では台湾産米である“夢美人”の国内販売を行っているが、この台湾事業を今後とも拡大していくために必要と判断した」としている。

 同社は昨年から夢美人の国内での扱いをスタートさせており、米穀小売店で組織する夢美人会を通じ5キロ2,980円で販売。前年産では商社を通して144トン分が輸入され、米穀店や通販ルートで販売が進められた。

 夢美人は同社が保有する夢かほりを台湾で栽培、日本に逆輸入する形で販売する方式が採られている。


-2007年2月27日-

◆SBS有資格者8社減、新規に中島美雄商店(輸入業者)

 農水省は2月23日、平成19~21年度における米麦の輸入業者の資格審査結果を公表。本紙関連の米の競争参加有資格者は(1)一般輸入=申請者は16社で、有資格者数は対前年度1社減の16社(2)SBS輸入=申請者は31社で、有資格者数は8社減の28社。新規で(株)中島美雄商店が取得しており、前年度の有資格者で止めたところは9社に上る。

 SBSの有資格者が大幅に減ったが、農水省では「資格継続となる前年度の数量制限に達していないため」としており、16~18年度の3年間において20トンの資格要件を満たしていないことが要因。

 有資格者の変更は(1)一般輸入=住金物産(株)が申請せず、その他は変わらず。(2)SBS輸入=新規資格者が(株)中島美雄商店の1社。申請などを行わなかったところは▽(株)組合貿易▽住金物産(株)▽大丸興業(株)▽東工コーセン(株)▽西本貿易(株)▽(株)日洋▽野村貿易(株)▽(株)ミツハシ▽(株)明治屋の9社。


-2007年2月26日-

◆発芽米の売価2割下げ、販売拡大へ(ファンケル)

 (株)ファンケル(横浜市)は4月1日から「発芽米」「おいしい発芽米 ふっくら白米仕立て」の販売価格を改定、通信販売・直営店舗・卸の全てのチャネルで約20%値下げすると発表した。販売価格が一般米に比べ約2倍と高値なことが、発芽米普及を阻む要因の一つと捉えており、価格改定により販売量の拡大を目指す。生産量は現状7千トンで、これを「1万トン超にもっていきたい」(同社)としている。

 価格改定は国内最大といわれる生産能力(月産1千トン)のスケールメリットを生かし、生産量の拡大によるコスト効率を高めることで実施。また、価格改定を機に流通の既存ルートのてこ入れを図るとともに、中食・外食産業への提案を強化する。
 希望小売価格(カッコ内は旧価格・税込み)は▽通販・直営店舗用=1キロ:780円(995円)▽流通卸用=950g(新容量):735円-など。

 原料米は「年によってバランスを図るが、基本的に北海道ほしのゆめ」としている。商品の問い合わせは同社(電話0120-750-210)まで。発芽米の販売は、昨年テレビに取り上げられたことで盛り返しており、懸案事項だった販売価格の引き下げを実現することで拡大路線の期待が膨らんだ。


-2007年2月23日-

◆牛丼完全復活で米使用規模も急回復へ(吉野家)

 (株)吉野家ディー・アンド・シー(東京・新宿区)では2月21日、3月1日から牛丼の販売時間を全店で9時間延長すると発表した。また長期に渡り休止していた“特盛り”メニューも再開するとのことで、完全正常化に向かうとともに米使用量の急速な増加も期待される。

 現在の牛丼販売時間は午前11時~午後3時と限定するが、3月からは「米国産牛肉の調達数量が増加してきたこと。また牛丼以外の定食メニューを注文する客が増え、提供時間延長が可能であると判断した」ことから午前11時~午前0時までとなる。このため一時(牛丼販売中止時)は年間2万5千トン~3万トンにまで縮小していた米の取扱数量も、急速にピーク時の3万5千~4万トンにまで回復してくると見込まれる。

 また米国産輸入停止直後の平成15年以来となる“特盛り”も、当時より90円高い630円で販売が再開される。同社では北海道きららを中心に3~4銘柄米を使用した、“吉野家ブレンド米”を地域ブロック別に使用している。使用する米は神明、木徳神糧、ヤマタネを通して、精米の形で各物流センターに仕入れる形が採られている。


-2007年2月22日-

◆旧登録卸の1月末在庫30万3千トンに減少

 米穀機構が公表した1月末現在における米穀販売事業者のうるち玄米在庫は、旧登録卸30万3千トン(前月比▲3万6千トン、前年同期比▲4千トン)、それ以外の大手届出業者[年間取扱4千トン以上。スーパー等除く]5万3千トン(前月比▲2千トン、前年同期比+1万トン)の合計35万6千トンとなっている。

 旧登録卸の在庫は、11~12月末に33万トン台まで積み上がったが、減少に転じている。その他、大手届出業者も前月より減少したものの、前年同期との比較では毎月数千トンずつ増加傾向にあり、旧登録卸と大手届出業者の合計では前年同期を6千トン上回る在庫水準にある。


-2007年2月21日-

◆消費者ニーズに応じたササ生産(JA古川)

 ササニシキの生産拡大への活動を行うJA古川ササニシキ研究会では先頃、宮城県大崎市内のグランド平成にて総合検討会を開催した。

 検討会では▽倒伏防止のための水管理▽適正籾数確保のための栽植密度の検討▽消費者ニーズに応じた高品質ササニシキの生産…他など19年産栽培に向けた取組みについて協議が行われた。

 同会によると現在のササニシキ生産量は全国で約6万トン規模しかなく、そのうち約4万トンが本場である宮城県内で生産されているという。生産規模は縮小しているが、「貴重な品種ともなったササニシキだが、寿司職人などから変わらぬ絶大な支持をいただいている。

 またコシヒカリ系品種が持たない“あっさりした食感”は、和食のメニューに合うと言われている」としている。また、当日は今後のササニシキ栽培に役立てるため、「ひとめぼれとササニシキの試食を行い、ササニシキ独特の甘さを再認識してもらった」としている。


-2007年2月20日-

◆1月末検査447万トン、受検率52%

 18年産米の検査実績は、今年1月末現在で446万5千トン(前年産同期比96.1%)となった。農水省まとめによると、1月単月で11万2千トンが積み上がった。生産量855万6千トンに対する受検率は52.2%で、前年産より1ポイント上昇している。10月までに過去2年並みの積み上げがあれば最終値は510万トン前後が見込まれる。近年は、JAS表示の厳格化と検査民営化の移行で受検率が上がっており、本年産は6割前後となりそうだ。

 1月末の種類別検査は、水稲うるち421万3千トン(前年比95.9%)、醸造用6万8千トン(105.6%)、水稲もち18万4千トン(96.7%)、陸稲もち7百トン(68.1%)。水稲うるちの等級比率は、1等78.4%、2等17.5%、3等2.3%、規格外1.8%。1逃避率は前年同期より3.7ポイント高。

 一方、都道府県別の受検率(生産量に対する検査率)は、▽80%超=北海道▽70%台=秋田、佐賀、沖縄▽60%台=山形、新潟、富山、石川-など。関東、東海以西で50%を超えているのは、栃木、滋賀、佐賀、沖縄のみ。


-2007年2月19日-

◆好適米の契約に目途、引取も順調(秋田)

 全農秋田県本部による18年産酒造好適米の販売計画は2,400トン強。契約はほぼ目途が付き、引取も「始まりが早かったこともあり順調」(関係者)といわれる。本価格は「引取に目途がつくまでに何とかしたい。5中3平均を基に、それぞれの実状を加味して決める」。

 売り手側では17年産米の下げで厳しい状況にあるが、買い手側も清酒が底を打ったといわれるものの全国的にそれがまだ波及しておらず、両者のバランスが問われるようだ。

 19年産米の作付は前年並みで検討している。「作付の8割を占める県南は減らさない方向」とされ、出荷契約などの状況で調整が行われる。品種構成は秋田酒こまちが若干増、美山錦は横ばい、吟の精などが少なくなる見通し。


-2007年2月16日-

◆消費地3卸招き生産者と情報交換(全農岩手)

 全農岩手県本部営農対策部では先頃、消費地卸3社を招いて、県内生産者、JA関係者との情報交換会を開催した。「米穀卸、担い手双方の意見を採り入れた米づくりを行うことで、いわて純情米の基盤確立をしていきたい」を狙いとして、岩手県、岩手県中央会の関係者も参加して活発な意見交換が行われたとのこと。

 当日は消費地から大和産業(株)、津田物産(株)、(株)ミツハシと3卸の担当者、県内からは“モデル集落代表者”20人とJA11人が一同に会した。米穀卸3社からはバラ化・フレコン化の推進、品質の向上、安全・安心米の供給などの提言が出され、県内生産者からは消費地における店頭販売価価格や、売れる米づくりへ向けての質問が出されたという。

 “いわて純情米”ブランドはひとめぼれ、あきたこまち、いわてっこ、かけはし、ササニシキの5品種で、18年産米からは県内向け中心に新品種どんぴしゃりの認知度向上が目指されている。


-2007年2月15日-

◆加工米需要は千トン規模、米粉パン入札は不落(弁済米)

 2月13日を目途に需要者の買い受け意向を求めた18年産加工用米不足枠の17年産現物弁済米。実需者が上げた数量は千トン規模になった模様で、くず米の減少・高騰などにより安価な国内産米に対する買い意欲の強さを改めて示した。販売手法は今後、米穀機構と関係者による協議で決まっていく。

 開始時期などで実際の買い受け数量は変わってくるが、需要者筋は「今年度だけで全量が売れるわけでもないだろう」と見ており、来期の販売も期待しているようだ。全農による19年産加工用米の集荷がどう転ぶか分からないことに対する安全策だが、くず米にとっても今期のような高値は通じない環境になる。

 9日に実施された米粉パン向けの入札は、3業者が応札したものの落札なし。第2回目は16日だが、予定価格の下方修正・買い手サイドの歩み寄りがあるかが焦点。需要を喚起するためには、広く認知され応札者を増やすことだが、まずは学校給食で実績を作ることか。


-2007年2月14日-

◆過去4番目に高かった1月平均気温

 気象庁は、今年1月の世界の月平均気温(速報値。陸地における地表付近の気温と向かい面水温の平均)が統計を開始した1891年以降で最も高い値となったほか、日本の月平均気温は同1898年以降で4番目に高い値となったことを公表した。

 長期的に1月の世界の月平均気温は100年あたり+0.73℃の割合で上昇し、日本は同+1.02℃の割合で上昇している。要因は、二酸化炭素などの増加に伴う地球温暖化の影響に、エルニーニョ現象や10年~数10年程度の期間規模で繰り返される自然変動が重なったものと考えられている。

 日本の1月平均気温の平年差は+1.44℃で、1989年(+2.09℃)、1972年(+1.65℃)、2000年(+1.46℃)に次いで第4位の高い値。該当年の水稲作況は「101」「103」「104」だった。


-2007年2月13日-

◆超早場の田植え、平年比1週間遅れ(沖縄ひとめ)

 沖縄県では一部の生産者が1月中に早々と田植えを始めたが、八重山管内におけるひとめぼれの超早場栽培は、田植えのピークが2月中旬以降になる見通し。「播種時期が寒く、例年に比べ1週間程度遅い」(営農センター)といわれる。

 1期作の田植えは、今月下旬から始まり3月10日頃を目途に終わる予定。1期作を含めた出荷数量は、前年並みの1,300トンを見込む。取扱い品種は、19年産米もひとめぼれのみ。


-2007年2月9日-

◆北海道きららなど大手卸買い占めの噂も(政府米)

 2月7日の政府米売渡し入札では、「北海道きららを1,000トン近くなど、2万トン余りを大手1卸が落札したような噂が流れている」(大阪府内A卸)との話が聞かれるほど、一部の買い手に落札が集中したもよう。

 北海道きららについては「1万1,800円で若干数量を落とした。また青森つがるロマンを1万1,850円、山形はえぬきは1万1,708円で落札したが、秋田こまちについては1万1,550円で不落だった」(大阪府内B卸)との事例が聞かれる。その他では「大手卸による大量札が入った模様でほとんど引っかからず、宮城ひとめぼれを1万1,720円で落札した程度。玄販目的による買い占めかな?」(大阪府内C卸)との声が出る。

 噂の大手卸によると「北海道きららは1,000トン申し込んだが通常の範囲で、その他は各県コシヒカリなどまあ幅広くは確保に行った」としている。


-2007年2月8日-

◆発芽米入りコシ発売(ファンケル)

 (株)ファンケル(横浜市)は、2月下旬から「発芽米入り こしひかり」「発芽米ふっくら白米仕立て入り こしひかり」(各2kg、希望小売価格1,380円)を一般流通限定で発売する。

 コシヒカリ無洗米に発芽米を約3割ブレンドした商品で、特徴は(1)利便性の向上(無洗米使用でコメを研ぐ必要がなく、発芽米と白米を混ぜる手間が要らない)(2)ブレンド比率は発芽米の栄養が実感出来、白米のおいしさが味わえるように設定(3)発芽米のネックであった価格を抑えた(4)2kg袋にしたことで、通常の白米コ-ナーでの販売など。

 コシヒカリは茨城産米を使用。発売後1年間で3億円の売上目標。取扱いは関東エリアのイオン(約140店舗)、マイカル(約34店舗)、ダイエー(約79店舗)において順次展開される予定で、「様子を見ながら拡大していく」考え。問い合わせは(電話0120-750-210)まで。


-2007年2月7日-

◆弁済米入札、産地区分せず一本に変更

 米穀機構は2月6日、現物弁済米の入札説明会を行った。参加は「実需者9者。そのうち登録済みが7者で、2者がこれからの段取り。問い合わせも含めていまのところ15者程度」とされる。

 入札の説明のなかで、変更された点は産地銘柄を区分せず一本にしたこと。種類は8産地8品種だが、業者の買い受けは▽落札した産地品種▽破砕業務を行う工場の立地▽持ち込み場所などを元に、米穀機構側が選択する。

 学校給食用の米粉パンなどは地元志向が強く、産地銘柄の明確ことが求められていただけに、品種が伏せられることは需要動向に影響を及ぼすかもしれない。また、第2回の入札は16日が予定されている。


-2007年2月6日-

◆直売増加で系統集荷40%割れ続出の声(西日本)

 18年産九州産ヒノヒカリの不作を“追い風”に直売事例が増加中の近畿、山陰、四国地区では「昨年10~12月にかけて大阪、神戸、福岡など消費地業者が争って買いに入り、その結果として危険水域と言われる系統集荷率40%を割り込んだ県が続出している」(関西大手A卸)との状況が伝わる。

 その中でも深刻なのが近畿地区某県で「外食、中食など消費地実需者との結び付き分も含めれば、17年産米販売時から7~10ポイント近く落ちたのでは?」(関西大手B卸)、「その産地県については18年産米で相当数量が直売に流れたようで、系統集荷で集まってくるのは“売りにくい”銘柄ばかりで、値頃感ある銘柄米はほとんど独自に結び付く現象が発生している」(A卸)とのこと。

 ただ、全国的に見ると「近畿、山陰など西日本地区の系統集荷ダウンは深刻だが、関東、東北では系統に戻る動きも見られ、全体での系統集荷については最終的に17年産米を上回ると聞いている」(某JA組合長)といった声も聞かれる。


-2007年2月5日-

◆集荷低調、価格改定で上積みも期待薄?(埼玉)

 埼玉県のJA系統による18年産米集荷は、作柄の低下などで前年割れとなっているようだ。某大手管内は加工用米などを含め前年の94%前後で、作況(94)通りの結果。

 「1月初旬の段階で(生産者が)持っているという話も聞いたが、ここまで来ればもうないだろう。それに集荷はいったん1月末で締め切られ、2月からの検査分は集荷価格が安くなると聞いている」といわれ、上積みは期待薄の状況。

 他の管内でも「1割強の減少。収量がキヌヒカリで通常7.5~8俵穫れるのが7俵を切っている」とされ、実施した追加集荷も大きな成果には至らなかった模様。

 19年産米に向けては、集荷促進が検討課題とされる。品種構成は「出来の良くなかったキヌヒカリ・あかね空は作付を止めるところが出ると思う。彩のかがやきは若干増える」見通し。なお、彩のかがやきの18年産米は県全体で5,500haの目標で取り組まれた。


-2007年2月2日-

◆予想より低かった魚沼コシの下げ幅(卸)

 1月31日に実施されたセンター入札で1,600円余り下落した魚沼コシヒカリの結果について、「年末年始のギフト需要期が過ぎたことで、各卸とも無理して確保する必要がなかったことを示した結果。事前の予想ではもっと下げ幅が大きいと思っていた」(関西大手A卸)、「いつもは静かな系統本部が、今回の魚沼コシヒカリへの対応はナーバスになり、直前まで結果を気にしていた。個人的には1,800円以上の下落を予想していた。今後は夏場に“調整”が若干ある程度ではないか」(関西大手B卸)といった感想が聞かれた。

 一方、末端販売は5キロ3,880~3,990円が中心価格となっており、「1月中旬~下旬の魚沼コシヒカリの出荷は前年同期比95%前後で、納入先によっては90%以下と、“ギフト特需”の反動が起きている」(A卸)ところもある。


-2007年2月1日-

◆1月随契2千トン弱が成約(政府米)

 1月19日から31日まで受け付けられた政府米売渡し随意契約は、30日までに2,000トン弱が成約になっている。売れ筋銘柄は、岩手あきたこまち、宮城ササニシキ、秋田あきたこまち、石川コシヒカリなどが拾われている。

 これで1月の販売契約は、入札の約2万トンと合わせて2万2千トン弱。12月(2万9千トン強)より7千トンほど減少し、昨年11月をピークに下降気味。この要因については、(1)安い北海道・青森産等の売れ筋メニューが少なくなった(2)11月落札分(秋田こまち等)の引取が1~2月に後倒しされている-など。

 複数原料用に使用している中堅卸は、「高いと魅力なく、価格次第。北海道産は1万1,500円以上は使えないし、コシも1万1,600~700円まで」として、原価調整用の補充買いにとどめている。




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